2010年12月11日土曜日

【シンガポール】ユニクロ「安定した売り上げ確保狙う」

 カジュアル衣料品大手ユニクロのシンガポール事業が軌道に乗ってきた。昨年4月に東南アジア初店舗をオープンして以来、12月までの9カ月間で計3店舗を開店。各店舗とも客足が絶えずブランドの認知度も定着してきたようだ。ユニクロ(シンガポール)の小野口悟社長に話を聞いた。

 ――シンガポール進出から1年たちますが業績は。
 
 「想定していたよりも売り上げが出ており好調だ。特に繁華街オーチャード通りの商業施設『アイオン(ION)オーチャード』『サマセット@313』に設けた2店舗の月額売上高は、それぞれ日本の標準店舗の2倍近く。東部のショッピングモール『タンピネス1』も標準以上の額となっている。初めての通年決算となる今年8月期は予想以上の収益を上げられそうだ」
 
 ――ユニクロブランドが浸透してきたのでは。
 
 「1号店のオープン当初からある程度の知名度を感じていたが、まだまだ足りないと思う。先ごろ店舗を訪れた女性客を対象に、日本のヒット商品ブラトップ(ブラジャーが内側についたキャミソール)の認知度を調べたところ約半分が知らなかった」
 
 ――認知度向上を図るためには。
 
 「定期的に広告を打つことでブランディングを強化する。店舗の近くにあるMRT(地下鉄?高架鉄道)構内では大規模なポスター広告を掲載しているし、新聞や雑誌でも期間限定のプロモーション内容を告知している。まずはユニクロ製品を試してもらい、それからブランドだけでなく各商品の知識をきちんと伝えていくことも大事だ」
 
 ――消費者のニーズは日本と異なりますか。
 
 「ほとんど変わらないようだ。確かに年中温暖な気候ということもあり夏物は常に販売の上位に入ってくるが、冬物の売れ行きも良かった。基本的に商品の品ぞろえは同じだが、今後、需要に合わせて夏物の取扱量を増やしたり、販売期間を延長するなど調整はしていく」
 
 ――進出から3年で8店舗という目標を掲げていますが。
 
 「目標は変わらない。ただ残りの5店舗についてはサマセット@313店と同じ規模(約400坪)の大型店にする。年内の開店計画は今のところないが、都心部のマリーナ?ベイ、ハーバーフロント、郊外の商業施設などをターゲットに適切な物件を探している。中期的には8店舗以上を設ける可能性もある」
 
 「ユニクロ全体としては海外でも店舗数を増強しており、東南アジアでもマレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンなどへの進出計画がある。シンガポールが管轄する場合には培った経験を生かしたい」
 
 ――今後の見通しは。
 
 「この1年で順調なスタートを切ったといえるが、本当に受け入れられているかという不安もある。特に冬物は予想以上に売れたものの、寒冷地への旅行など1年で1週間程度しか着用しない商品を今後も同じように販売できるか分からない」
 
 「安定した売り上げを確保していくためには、サービスの質や顧客満足度の水準を日本のユニクロのスタンダード(基準)にまで引き上げる必要がある。このほか当地での実績に基づいた商品構成を組むことで現状の顧客を維持しつつ、潜在的なニーズも掘り起こす。ライバルは欧米、ローカルを含むすべてのカジュアル系ブランドだ」

引用元:RMT(リアルマネートレード)専門サイト『RMTワンファースト』

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