2011年3月24日木曜日

あいち?日曜リポート:豊田市の空き家情報バンク開設 /愛知

 ◇山間部過疎化、ストップ期待 地域情報もネットに
 豊田市は今春、都市部住民の山間部への移住を目的に「空き家情報バンク」を新設した。旧豊田市と周辺6町村が合併して今春で丸5年。09年10月現在の人口は、旧市域で約1万6700人増えた半面、旧藤岡町を除く旧5町村では1440人減った。新制度が、過疎化の流れを止めるきっかけになるか。【中島幸男】
 バンク制度は今月23日に始まった。空き家所有者が賃貸可能な住宅を登録し、市のホームページなどで公開。地域の代表者が賃貸希望者と面談したうえ、当事者間で契約するか、県宅地建物取引協会豊田支部が仲介する。開設時は旭、足助、稲武など7地区で計15軒が登録されている。
 公開にあたっては事前に、区費や「お役」といわれる共同作業、祭礼など、地域の情報をホームページで公開している。市によると、同種の制度は全国の約300自治体にあるが、こうした情報の提供は珍しいという。同時に空き家再生のための補助事業も新設。賃貸のための改修費の10分の8を、100万円を限度に補助する。
 実は足助地区では一足先に同種の制度をスタートさせていた。今年度に13世帯35人が空き家に入居した。最も苦労しているのが需要(入居希望)と供給(空き家提供)のギャップ。足助は紅葉の名所?香嵐渓の知名度もあって都市部からの入居希望者が多い。足助支所の空き家待機リスト登録者は100人に上る。
 一方、支所管内の空き家提供登録は2軒だけ。支所は「先祖代々の家を知らない人に貸すことに、ためらいがある」と説明する。少しでも提供者を増やそうと、支所独自の取り組みとして空き家に短期間入居して体験する「お試し住宅」を設けた。支所が空き家を借り受け、定住希望者に1日1500円で田舎暮らしを体験してもらう。支所が間に入り、貸手、借り手の信頼関係を築くのが狙い。現在、2軒でお試し中だ。
 空き家提供者をどうやって増やすか。市自治振興課は「改修が面倒だという所有者もいる。所有者と借り手の同意があれば、借り手による改修補助申請を認める」。地域住民の面談方式を設けたのも「地域の積極的なかかわりによって制度の浸透を願っているから」と説明する。
 市内のNPO法人?都市と農山村交流スローライフセンターの山本薫久代表は「今、農山村での暮らしが見直されている」とバンク新設を評価する。山本さん自身、97年に名古屋市内の小学校教諭を退職して旧足助町に移住。2年後に新居を構えた。その体験からも「農山村には風景も共有物と考える風土があり、祭りはコミュニケーションの場でもあることを理解してほしい。一方、過疎地は外からの力を必要としていることを知ってほしい」と移住希望者と地元の双方にアドバイスする。

3月28日朝刊

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引用元:タルタロス(Tartaros) 総合サイト

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